011 土星の環とスーフィズム。
土星探査機カッサーニが撮った膨大な写真を動画化した、そのあまりにも綺麗な映像に鳥肌が立った。
4K Saturn Cassini Photographic Animation (updated)
Samuel Barberの「弦楽のためのアダージョ」が、神秘的な美しさに香りを添えている。
ふと、部屋で、まだ聴いてない中古CD群の中から、ロマミュージックのリミックスものを見付けた。
買った時には気付かなかったが、参加してるリミックス陣の中に、Mercan Dedeの名を見付けた。
彼はトルコのネイ(葦笛)奏者兼DJで、スーフィズム(イスラム神秘主義)の伝統音楽と現代音楽の橋渡し役。
スーフィズムは、全ての天体、この星における水、体内の血…すべて回って循環している事に思想の根幹があり、セマと呼ばれる、クルクルと回り続ける踊りが特徴的。
Fransa'da Türk Mevsimi - Mercan Dede (Açılış Konseri)
彼の音楽には、よくディジュリドゥ(アボリジニの伝統楽器で、世界最古の管楽器)の音が使われていて、
音色だけでなく、その独特な循環呼吸という奏法や、吹き続けてると得られる瞑想感にもシンパシーがあって使っている気がする。
音楽におけるグルーヴとは、リズムという出発点から描かれる円の軌道の違いと、その軌道の道中でのスピードの変動から成っている。
一周の円を描くペンの動きやスピードが一定なものだけではないのだ。
吸い上げられたまま還ってこない税金、はぐらかしの国会審議、その他滞ってる全て、様々な要因で自分自身に打ちのめされる日々の中、
偶然にも、土星の環からのスーフィズム、そして自分の音楽観が繋がった。
たとえ誰にも伝わらなかろうと、これは間違いなく、私が私であるが故の導き。
どれも偶然であり、必然だろう。